初めての出張
外資系で働いていて良かったと思うことの一つは、余裕の出張旅費です。
日本の会社では未だに出張すると赤字になる会社が少なくありません。
特に古い歴史を持つ会社に顕著だと聞きます。
「飛行機が飛んでいるところは飛行機で行くこと。列車でいく場合はグリーン車。
ホテルは行った先で一番良いホテル。宿泊代は全額会社が負担。
そのほかに食事代が出る。クリーニングしたものがあれば、その費用も会社が負担。
現地での移動はタクシー。金額の上限はない」
”おい おい 一体この会社はどうなってんだ?”
先輩とトレーニングをかねて、初めて出張に行くことになり、先輩が出張経費の説明をしています。
28歳の平社員に幹部社員並みの出張経費です。
こっちはびっくり仰天しているのに、先輩は淡々と、ごく当たり前のように説明しています。
一日の食事代は朝、昼、そして、夕食ともにホテルのメインレストランで食事してもおつりがくる金額です。
それまでホテルでディナーなんて経験はありませんでした。
もう仕事のことより一流ホテルに宿泊する喜びで頭がいっぱい。
”それにしても、なぜこのような出張規程になっているんだろう”
”そうか、これは日本の物価を考えないで、アメリカの出張規定をそのまま日本にも当てはめているからなんだ”
”外人社員が出張するとき、狭い部屋のホテルに泊めたり、居酒屋やそば屋で夕飯というわけにはいかないよなあ”
”それに、外人だけ優遇し、日本人にケチケチした出張経費じゃ人種差別かも”
”でも、なぜ幹部と平社員との間に差をつけた規程を作らなかったのだろう”
かくして、優雅な出張生活が始まりました。
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