世間は狭しー兄編
人生は不思議なことがたびたび起こります。
そのひとつが世間の狭さ。
外資系へ転職して驚いたことは、兄とのつながりです。
「今度こういう会社に転職したよ」
転職してすぐ兄に連絡しました。
「えっ! 最近その会社の研究開発部門へクレーム処理のために何度か行ったよ」
と兄が言います。
「えっ! 本当?」
今度はこっちが驚く番です。
兄はある会社の技術畑にいました。
その会社はぼくが転職した会社のサプライヤー(納入業者)に原材料を納めていたのです。
その後、兄はちょくちょく兄の会社の原材料を使った商品の売り上げ推移を気にして連絡してきました。
製造計画を立てるために必用だったのです。
もちろん実数は言えませんが、だいたいの対前年度の伸び率は教えました。
兄はずいぶん助かったはずです。
そして、ある日、兄が原材料を納入しているサプライヤーとの会議前の雑談で、、
「○○の××を知っていますか?」
「ああ××さんは△△製品の担当が長く、よく知っていますよ」
「ぼくの兄です。よろしくお願いします」
「えっ!」
これで、またクレームが発生したとき、サプライヤーは兄に対して少しは優しく接してくれるだろうという親心ならぬ弟心です。
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