手を動かさないで話すアメリカ人
会社はアメリカ系でしたから、海外出張と言えばほとんどアメリカです。
グローバル企業でしたが、社員のほとんどはアメリカ人です。
アメリカ人と言えば、大げさに手を動かしながら話す、というイメージでした。
ところが、ビジネスシーンでは驚くほど手を動かしません。
「何がおかしい?」
隣のアメリカ人がニヤニヤ笑っています。
「お前の同僚のあの手の動きを見ろよ」
見ると、日本から一緒に来た同僚が、盛んに手を動かしながら発言しています。
別におかしくもなんともありません。
”何がおかしいんだろう?”
が、そのとき気がつきました。
”そうか、アメリカ人はしゃべるとき、思ったほど手を動かさないんだ、と。
そりゃ政治家が演説しているときとか、若者が大騒ぎしているときは大きく手を動かします。
でも、会議の席、商談のとき、ほとんどのアメリカ人はほんのわずかしか手を動かしません。
それに比べて、日本では手を盛んに動かしてしゃべる人がなんと多いことか。
まるで手を動かさないと言葉が出てこないような人もいます。
テレビを見ていると、さすがに局アナは訓練されているせいか、手を動かして話す人はほとんどいませんが、猛烈に手を動かしているコメンテーターがいます。
まるで手話です。
あるとき、町で例のモルモン教の布教活動をしている、日本人とアメリカ人の二人ずれに声をかけられました。
近くにある教会の案内とか、そこでは英会話教室があるとか説明しています。
自慢げに英会話ができるなんてことは隠して、黙って聞いていました。
アメリカ人の方はほとんど手を動かさないで話しているのに、日本人の方は盛んに手を動かして話しかけてきます。
おもわず噴出しそうになりました。
”どっちがアメリカ人だ”。
時代劇を見てもわかると思いますが、日本人は昔からあまり手を動かさないでしゃべっていたはずです。
いったい、日本人はいつごろからこんなに手を動かしてしゃべるようになったんだろう。
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