おうへいな人事部長
力がないものに対してはおうへいな態度で接し、力があるもの対してはぺこぺこするような人はどこにでもいるものです。
履歴書を持って、自慢の、といっても中古でぼろぼろのスポーツカーに乗り、
環七を走ってその会社へ行きました。
玄関を入ると、受付にはいかにも外資系という感じの私服の女性二人が座っています。
用件を伝えると、いきなり人事部長の部屋へ通されました。
何か嫌な予感。
頭が禿げ上がった50歳代と思われる人事部長は、履歴書から目を上げると、じろりとぼくを見て、
「今日はスタッフが全員出払っていてね、、、」
「・・・・・」
そして、偉そうな口調で、
「すでに100人以上の応募が来ている。君なんか受かるわけないが、まあ、わざわざ来たので一応受け付けておく」。
”いくらオレの経歴が貧弱であっても、その言い方はね〜だろう、何だ、このオヤジ、威張りくさりやがって!”
と思いましたが、そんな気持ちはおくびにも出さず、
「よろしくお願いします」。
”これじゃ可能性はないな。でも、まあいいか。こっちもドライブがてらどんな会社か見に来ただけだ”
と自分にいいわけしても、なにかさびしい思いで会社を後にしました。
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