外資系応募のある仕掛け
大学を卒業して最初に就職した会社に、よれよれの背広を着たアメリカ人が出入りしていました。
同僚たちは少しバカにしていたようで相手にしませんでしたが、ぼくはほんのちょっと英会話ができたのですぐに仲良くなりました。
明らかに60歳を過ぎています。
しかも、独身。
ですから、夜はひまをもてあましています。
当時はボクも独身でしたから、同じく夜はひまです。
当然のごとく、つるんで夜の六本木に繰り出す回数が増えました。
オヤジと息子という年齢差でしたが、少しは英会話も上達するだろうという下心があり、気になりませんでした。
やがて、、
「仕事 決まったよ」
ニコニコしています。
「何の仕事?」
「○○石油の顧問弁護士だよ」
「えっ?」
何と、かれは弁護士資格を持っていたのです。
これにはびっくり。
そして、、、、、、
、、、、、、、、、
外資系へ応募することを決めたとき、名案が浮かび彼の住まいを訪ねました。
「どうした?」
「こんどアメリカの会社に応募することにしたんだけど、推薦状書いてよ?」
「OK わかった」
外資系で働いている大学の先輩から、外資系応募における推薦状の威力を聞いていたからです。
数日後、そのアメリカ人のところへ推薦状を受け取りに。
「どうだ、これで良いか?」
歯が浮くようなほめ言葉がちりばめられています。
「これ、Too much だよ」
「大丈夫だ。アメリカではこれぐらい当たり前だよ」
”これで百人力だ”
きっと、この推薦状はぼくの貧弱なキャリアを補ってくれるはず。
”アメリカ人弁護士と遊びまわっている日本人など他にいるわけないよな”
妙な自信がわいてきました。
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